この靴を修理してもらいたいんです……。
できるだけ傷んでいるところだけを……。
……そうです。
これは亡くなった娘が私のために作ってくれたものなんです……。
だから……。
大事にしたいんです……。
どうかお願いします……。
不幸にも交通事故に遭って意識不明の重体の若い女性とその母親、そして看取りロボットとのお話。
看取りロボットの第3弾。
今回看取りロボットは意識不明の女性と会話します。
そして、看取りロボットを通じて、望み通りに母親と話をします。
やはり悲しいお話です。
2015年作。
……ストロング、ボクはやっぱりキミを看取ることになっちゃったね。
とってもとっても残念だけど。
キミは本当に名前の通り、ストロングだったよ。
キミは自分の名前を好きじゃないと言っていたけど。
でも、間違いない。
キミは正真正銘のストロングだよ。
ボクはキミのことを絶対に忘れない。
キミはボクの命の恩人だ。
二度も助けてもらったしね。
ストロング、ありがとう……。
バイバイ……。
足が不自由な上、右目の下に大きくて深い傷がある雑種の大型犬と看取りロボットとの、悲しくて切ないお話。
看取りロボットの第4弾。
今回、看取りロボットが看取ったのは犬のストロング。
看取るのは人間だけでなく、動物もありだろう、と。
だって、命は人間だけに与えられた特別なものではないですから。
そんな想いを込めました。
絵はみずきさん。
2015年作。