大人のための中くらいの物語                (2015年3月出版・2019年12月再出版)

タクシードライバー1

 おい、タクシー。空いてるか。

 あ、はい。大丈夫です。ちょっと待っててください。今すぐに片付けますから。

 

 深夜、1台のタクシーに乗り込んできたのは、ヤクザの大親分だった……。


 農閑期に出稼ぎに来ている地方出身のタクシードライバーと、ガンに侵されたヤクザの大親分のお話。

 その大親分には、手術前にどうしてもやっておきたいことがあります。

 それは、縁あって知り合った児童養護施設の子供達に高級時計を渡すこと。

 

 これは全てセリフだけの物語です。

 「1」があるということは、当然「2」「3」もあるわけですが、発表する機会がなくて……。

 いつか必ず(?)。

 2014年完成。

幸せコイン

 今日はとってもいいことがあったから、幸せコインを2つ貯金します。

 幸せコインは、入院中のパパが僕のために作ってくれた手作りコイン。

 たくさんいいことがありますようにと、願いを込めて作ってくれた。

 でも、ある夜、ドロボウさんが家に入って、僕はそのコインを全部あげたんだ。

 やがて、月日が流れて……。


 幸せコインにまつわる人々の絆の物語。

 ドロボウのその後の人生。

 「僕」のその後の人生。

 そして、そのコインが大人になった「僕」の元に戻ってきます。

 その時の「僕」はというと……。

 男性のメルヘンのような作品です。

 2014年完成。