あるピアニストの右手       (2018年8月出版)

 男はかつてヨーロッパで活躍した有名なピアニストでした。

 特に、彼が弾くショパンの「別れの曲」は聴く人誰もが一瞬で涙するほどでした。

 しかし、第2次世界大戦中、ドイツの憲兵に右手を撃たれてから、彼の右手は動かなくなり、二度とピアノが弾けなくなりました。

 戦後、酒浸りの毎日をおくり、すっかりすさんだ生活をしていた男でしたが、ある夜、1匹のねずみと出会って……。


 男はねずみと出会って、奇跡の復活を遂げます。

 しかし、月日が流れ、そんなふたりにも遂に別れの時が訪れます。

 作品中の「別れの曲」はラストを含めて、この物語にピタッとはまっている気がします。

 これも、子供が少し背伸びをして、大人が童心に戻って読める「児童文学」というよりも、「おとな文学」です。

 

 普段書きものをしている時は音楽が欠かせません。

 そのため、カフェで書きものをしている時が多いです。

 心地よい音楽が常に流れていますから。

 特にジャズが落ち着きます。

 で、ついおかわりをして、長居してしまいます。

 優しく笑顔で接してくれる店員さんに甘えて……。

 カフェのみなさま、いつもご迷惑かけてすみません……。

 2013年完成。