月がとってもきれいな夜だから。
素直な気持ちでこう言える。
好きだよ……。
ありがとう……。
ごめんなさい……。
これもとても短い物語。
夜、ぼんやりと月を眺めていると、何だか素直になれますよね。
そんな作品です。
2015年完成。
流れ星パックンは夜間の郵便屋さんです。
夜になると、星から星へと荷物や手紙を配達しています。
パックンはあまり足が速くありません。
だから、よく人間にお願いごとをされます。
その願いを叶えてあげるのも、流れ星の大切な仕事です。
しかし、近頃人間は自分で頑張ろうともしないで、パックンにお願いばかりしています。
それも、自分勝手なものばかりで……。
流れ星を見かけると、慌てて手を合わせてお願いをしますよね。
でも、あっという間でなかなか間に合いません。
そんな流れ星のお話です。
これも、とても優しい物語になっています。
2006年完成。
冬の、ある寒い寒い日のこと。
貧しい画家が凍えながら小さな雑貨屋の前を通りかかると、貼り紙にこう書かれていました。
『湯たんぽニャンコ レンタルします。お金はいりません。寒い冬、一緒にいると温まりますよ』
ガラス越しの向こうには、一匹の灰色のまん丸く太ったネコが、まあるくなって眠っていて……。
友達もいない貧しい画家と湯たんぽ代わりのニャンコ・タンポとの物語。
ふたりはいつでも一緒です。
ところが、ある日、突然タンポが行方不明になります。
貧しい画家はタンポの絵をたくさん描いて、街中に貼るのですが、それが思わぬ幸運を招きます。
2006年完成。
ある夜のことです。
おばあさんの元に、親指くらいの小さな天使がやってきました。
天使はシクシク泣きながら、「大事なリングを壊しちゃったの」と告げました。
そして、「そのリングがないと、天国に帰れない」とも……。
おばあさんの店は、かつてオーダーメイドの指輪の専門店です。
地上を訪れた天使のために、無料でリングを作ってあげたり、直してあげたりする店でした。
でも、おじいさんが亡くなってからは店は閉めたままです。
「いつかきっと宇宙に行って、夜空のきれいな星を集めて指輪を作ってあげる」
これは、おじいさんからおばあさんへのプロポーズの言葉。
そして、それが遂に実現されます。
おじいさんとおばあさんの愛の物語です。
2006年完成。