おじさんの恋文            (2018年9月出版)

 これから僕の昔話をしようと思う。

 でも、これがとっても素敵な物語なんだ。

 だから、じっと聞いてほしい。

 いい?

 ちなみに、君は神様はいると思うかい?

 僕はいると思う。

 でも、神様は時々いたずらをする。

 それに、意地悪もね。

 だから、ちょっと困るんだけど……。

 

 弁護士の僕は今、傷害罪で逮捕された少女と接見している。

 当初は心を閉ざしていた少女だったが、何度も足しげく通ううちに、やっと心を開いてくれた。

 だから、話したんだ。

 僕とおじさんとの出会い。

 42歳まで字が書けなかったおじさんの人生。

 おじさんとサキさんとのこと。

 僕とマイちゃんとのこと。

 そして、それにまつわる奇跡的な恋の物語を……。


 これは、「僕」が字が書けない孤独なおじさんと出会って、人生が大きく変わっていくお話です。

 でも、やはりそれ以上に一途な大人の愛の物語です。

 長編のおとな文学です。

 2012年完成。