ある夏の日のこと。
駅前のデパートの屋上に、おばけ屋敷がオープンしました。
ここのおばけ屋敷は、とても怖いので有名です。
あまりの怖さに、見終わった人たちは体を震わせながら、しばらく泣き続けるほどです。
でも、怖いはずです。実は、本物のおばけがアルバイトをして働いているのですから。
「さてと、今日もがんばって、たくさんの人間を怖がらせてやるぞ」
すると、そこへ5歳くらいの男の子がペロペロキャンディーをなめながら現れて……。
これは、もう完全に時々き無性に書きたくなるフザケて書いた作品。
こういう作品は頭をひねらず、考えず、とにかく楽しみながら微笑みながら書きます。
内容は二の次。
矛盾店があっても気にしない。気にしない。
昔はこういうのを結構書いてたな、って改めて思います。
最近こういうの書いてないなあ。
今度また書きたいなあ。
2002年作。
平和な森がありました。
いろんな動物たちが、なかよく暮らす森です。
みんなが笑顔で、みんなが支え合う。
そんな森です。
森の真ん中には広場があって、大きな時計がありました。
森にあるたった一つの時計です。
みんな、この時計を見て、食事をしたり、仕事に出かけたりします。
ところが、突然その時計が動かなくなってしまいました。
森の動物たちは、時間がわからなくなって、大あわて。
たったひとりを除いては……。
普段あまり時間に追われるような日々を送っていないせいか、腕時計も持っていないボクちゃん。
いや、正確に言うと、探せば部屋中のどこかにあると思いますが。
時間に関するものは、以前「かつてムジャキな子供だった人達への童話6」の中の「時間」という作品がありました。た
それよりは、こっちはやっぱりフザケたかな?
作品に出てくるブタのブースケ、羨ましいです(?)。
2010年作。
タダシとコウタとヨウヘイは、同じ小学校に通う同級生。しかも、大金持ち。
今日は特に大金持ちのタダシの家でゲームをして遊んでいましたが、それにもすっかり飽きてしまいました。
それから3人は、タダシの提案でカケを始めました。
街の並木道を歩いている1人の男の子の前に1万円を落として、それを自分のポケットに入れるかどうか。
すると、その男の子は予想に反して……。
ここに登場するヨシオくん。
人懐こくて、誰の悪口も言わず、いつも笑顔の少年。
そして、最後はやはりどんな人もその人柄に包み込まれていく。
そんな人がたくさんいるといいですね。
そうなりたいなあ。
2010年作。
かすみ草が赤いスイートピーに恋をしました。
スイートピーはいろいろな花が咲いている丘の上に、一輪だけ咲いています。
丘に通じる道端にひっそりと咲くかすみ草は、いつも丘を見上げては、「きれいだな」、「可愛いな」と思いました。
赤いスイートピーはみんなの憧れの的。
かすみ草はスイートピーのことを想えば想うほど、切なくて辛くて、苦しくなるばかり。
やがて、訪れた幸せ。
そして、辛い別れ……。
少し悲劇的な愛のお話。
でも、最後は……。
この作品は何度も書き直しては、いろんな賞に応募していましたが、ことごとく落選。
でも、読み直してみると、やっぱりいい話です。
書いた時期ははっきりわかりません。
多分この頃か、もしかしたらもっと古いか。
さて、どうだろう。
1997(?)年作。