よるの教室              (2016年6月出版)

 「よるの教室」は、もう一度勉強をやり直したい大人たちが通う教室です。

 夜10時から明け方の4時くらいまで、閉店後の喫茶店を借りて開かれます。

 通っているのは、サラリーマンやタクシーの運転手や飲み屋のおねえさんや不登校の女子高生など、みんな、何となく訳ありな人ばかり。

 そして、ここで教える唯一の先生兼教室長の野上も、かなりの訳ありのようでして……。

 

 この教室に通っている介護施設で働くミチルさんは、とても悩んでいました。

 というのも、息子で中学2年の北斗君が父親が亡くなって以来、1年近く不登校で昼夜逆転した生活を送っているからです。

 しかも、その理由を決して話してはくれません。

 普段は普通に会話したり、冗談を言ったりするのに、そのことだけは話してくれないのです。

 唯一の手掛かりになりそうなのが、毎日星の観測をしていることぐらい。

 それさえも、何のためにしているかはわかりません。

 すっかり途方に暮れたミチルさんは、意を決して、教室にいるみんなに相談しました。

 

 その後、ある事件をきっかけに、野上は北斗君から不登校の理由を聞かされますが、その理由とは……。


 大人になると、「もっと勉強しておけばよかったなあ」と誰もが思うはず。

 学生の頃は、将来こんなことを思うなんて考えもしませんでした。

 やはり、勉強(学問)は大切です。

 無事ある程度の大人になり(?)、そんな話をぜひ書いておきたいと思いました。

 できれば、第2弾、第3弾と続けたいのですが、日程的にちょっと難しいなあ……。

 まっ、ともかくこんな教室があったらいいですよね。

 2014年作。