みつばちは花から花へと手紙を配達する郵便屋さんです。
それが時々ラブレターだったりするので、「花のキューピット」とも呼ばれています。
ある日、みつばちピッチはタンポポ山のりんごの木のモクさんから、手紙の配達を頼まれました。
それは、ゆうれいの森にいる幼なじみのアキさんに手紙を渡してほしいというものでした。
ゆうれいの森は、一度入ったら二度と出られないという恐ろしい森です。
ピッチは困ってしまいました。ゆうれいの森に入ることは、みつばちの間でも禁止されています。それに正直怖いです。
しかし、ピッチはゆうれいの森に行くことを決心しました。
それは、最近ゆうれいの森の周辺で多くの動物がはらぺこで亡くなっていることを知ったからです。
自分が手紙を配達すれば、森に多くの果物や木の実がなって、そのような動物がいなくなると考えたのです。
そして、ピッチは親友のパッチの反対を押し切って、ゆうれいの森にむかうのでした……。
みつばちピッチの勇気を描いた作品。
勇気は信じる心、大切な仲間を想う気持ちから生まれます。
これは珍しい(?)正真正銘の児童文学です。
2002年完成。
今回再出版にあたって、表紙の絵を新たに描いてもらいました。
描いてくれたのは、以前「絵のない絵本2」の表紙絵を描いてくれた人です。
やっぱセンスがいいですよね。
個性的というか。
忙しい勉強の合間に描いてくれて、本当にありがとね。